左の肺が破れて完全に潰れる、という珍妙なイベントが起きてから1週間が経とうとしている。8分の1程度のサイズになった肺は未だに広がらず、おそらく週明けに手術になるだろう。肋骨の間を縫うように刺した管が肺の中の痛覚を刺激して、その度に電流が走ったかのように錯覚する。
何の気なしにインスタグラムを見ていたら、肺が潰れる直前まで働いていた編集所近くで同級生が肉寿司を食べている様子が流れてきた。テレビやインターネットによると西麻布はどうやらユートピアらしいが、どうにもそうは思えない。東京の恩恵を全く受けられていないなと常々感じる。毎日毎日生活に殺されそう。他人と話すときはいつも平気そうな顔して喋っちゃう。ピエロと一緒。道化。
万引きは隠語で｢夢見(ゆめみ)｣と言うらしい。｢欲しかったものが手に入って、夢を見ているようだから｣という理由を知ったとき、心の奥がほんのわずかにギュッとなって泣きたくなった。
アラサーから｢こんにちは✨️最近朝活にハマっていまして、よければ趣味を教えてください☺️参考にしたいです！｣とDMが送られてきた。｢交番の前に貼ってある昨日の交通事故件数の写真を撮ることですかね。亡くなった人のことを考えています。｣と回答したら、♡マークだけつけて会話を強制終了されて悲しかった。
苦しいって誰に言えばいいかわからない。SOSの感覚が鈍いのは昔から変わらない。ずっと褒めてほしくてたまらない。惨めだって笑え！
高校を卒業してもう4,5年経つが、あの時あの人と話しておけばよかった…という後悔が今も心に強く残っている。デザイン系に進んだSさんとか、美容系に進んだIさんとか、絶対話したらおもしろいんだろうなと思う。当時の自分はそういうものをキャッチするセンサーが鈍かったし、こんな訳の分からないやつに話しかけられても迷惑だろうなと卑屈になっていた(今もそれは続いている)
568号室は4人1部屋で、図らずも人生で初めてのシェアハウスは病室ということになるらしい。シェアハウス アット ザ ホスピタルである。左の部屋のオカダさんは看護師さんと｢いつからこんな状況になってしまったんですかね…｣と話していた。向かいにお住まいのおじいさん患者の名字は"サカイザワ"というらしい。自分の名字とかすっているため呼びれる度に緊張してしまう。よくない。斜めの住人はようわからん。頻繁に咳をしてらっしゃるのでセキオさんとでも名付けておこう。
｢ユメ｣というプレイリストを作った。今はまだ7曲しかない。みんなもユメを見たい時にぜひ聴いてね。
https://open.spotify.com/playlist/5K5kAgWGAGrJRSBy1qHyYz?si=3-nhitffSxy1IuCde73S1w
