帰省する度に何やら何やら持たされて荷物が重くなる それが死ぬほどイヤ おれは身軽でいたい ありたい そう伝えたはずなのにまた今回も大量のパンを渡される あぁもうと最後の方は呆れかけていた 「パン大慌てでごめんね」と気遣いのLINEまで親に送らせてしまう始末 またミスった こんなLINEを送らせるわけにはいかないのに ミスった 死にたい 身軽になりたい気持ちが強まるあまり、以前親から渡された大量のパンを食べずに捨てたことがある おれってそういう人間です 本当にごめんなさい 今回は捨てないけど

やっぱりこんなクソみたいな田舎はこちらから御免だ 諦めた町にいたくない まだおれは諦めたくないです 例え死にそうでもギラギラしたところにいたい 少なくとも今のところはそう思っている 駅までの送り迎え 「まぁ焦らずね」と父が車内で言う 帰省する度毎回言われている でもおれはそれが彼の本心でないことを知っている 彼は最近の若者に対してわりと厳しい 早く働けと言っているように聞こえる その度に焦る 言葉の裏に隠された本心 本音と建前のメンコ とにもかくにも現状をどうにか早く変えなきゃいけない 焦燥と見栄の町 何泊もしたらいよいよ自分がダメになる気がして逃げるようにアパートに帰ることしかできない お父さんお母さんごめんなさい